2025.02.21

福島第一原子力発電所へ
コロナ前から仕事で行き来することの
多かった福島ですが、
ご縁あって福島第一原子力発電所を視察してきました。
これまで企業秘密と言われるところに
幾度となく足を運びましたが、
今回訪れた福島第一原子力発電所は、
過去最高レベルのチェック体制の厳しさでした
(ちなみに次点は某クルマ関連企業、
その次が半導体関連)。
テレビで数えきれないほど見た
あの光景が目の前に現れたとき、
「おおぅ……」
という自分でもよくわからない声がもれるとともに
これが現実なのだと
ほっぺをパチンと叩かれた気分でした。
この写真は最初に核燃料がメルトダウンして
水素爆発を起こした1号機から
数百mの位置で撮影したもの。
つまり目の鼻の先にあのゲンパツがあるわけです。
1時間滞在するだけで
レントゲン一回分の放射線を
浴びてしまうとのこと……でしたが、
実際に数分いただけで仲間のひとりの
線量計が鳴ったのにはビビりました。
昨年から融解した燃料等が冷えて固まった
燃料デブリの取り出し作業がはじまりましたが、
当然ながらそのエリアは超(!)高線量なため
すべて遠隔操作によって行われているそう。
しかもその採れた量もほんのわずかでしかありません。
「50年後か、100年後か。
たぶん私たちが生きているうちに
すべて取り出すのは難しいと思います」
案内してくださった経済産業省の方は、
むき出しになった1号機を見つめながら
そんなふうに話してくれました。
廃炉作業にかかる費用は年間2,500億円。
もちろんそのほとんどは私たちの電気代で賄われているわけですが、
それだけのお金をかけても
いつ終わるかわからない。
いつ終わるかわからないけれど、
それでも少しずつ進んでる。
地震大国日本で、資源のない日本で
果たして原発は是なのか?
AIが急速な進歩を遂げるなか、
その膨大な電力消費をどう賄うのか。
そもそもAIは本当に必要なのか?
原発があることによる恩恵、
原発があることによるリスク。
私たちの生活に複雑に絡み合った糸は
そう簡単にはほどけないのです。
原発の是非については様々な議論がありますが、
それぞれに正義がある。
もうすぐ3.11から14年が経ちますが、
未だに自分のなかで答えは出ません。
(栗山)
※今回貴重な機会を与えてくれた栗林さん、
私の稚拙な質問の数々に答えてくださった木野さん、
ありがとうございました。