2025.09.08

行ってきました、大阪万博
ここ最近、毎日何かしらニュースになることといえば、2025大阪・関西万博こと通称「大阪万博」もそのひとつではないでしょうか。小6の次女が以前から行きたいといっており、僕自身も興味があったので、夏休み終わり間際の8月の最終週に視察かねて行ってきました。
開催概要には「いのち輝く未来社会のデザイン」(Designing Future Society for Our Lives)がテーマとあります。ふむふむ。ネットリサーチをかけるとあまり評判はよくないですが、どうせ行くなら楽しもうと事前に足を運んだ人から情報を集め、チケットを購入し、いざ当日とあいなったわけです。がしかし…。
夢洲駅(ゆめしまえき)に向かう電車は「乗車率150%超えてるのでは?」とでもいいたくなるほどの混雑具合。電車のなかですらそんな状態なので、会場はさらにものすごい人、ヒト、ヒト、ひと、人、ヒト、ヒト、ひと、人、ヒト、ヒト、ひと、人、ヒト、ヒト、ひと…。予約時間の30分前に夢洲駅についたんですが、会場内に入るまでにかかった時間は1時間。どうも手荷物検査がボトルネックになっているようで、この時点ですでにグロッキー気味…。
並んでいる列ではたくさんの人が日傘をさしていて、傘が前方の視界を遮るとともに傘の先端でツンツンされまくって不快指数はさらにアップ…。日傘をさされる方、さすなとはいいませんが、もう少し周りに配慮していただけると助かります。
気を取り直して場内へ。予約を取っていたオーストラリア館に早速向かったんですが、正直15分もあれば見終わる内容。まあふつうにキレイではあったんですが、炎天下で何時間も待つほどの内容ではないかな…と感じました。夕方からは大手パビリオン以外は空いてくるという話でしたが、この日は当日受付すら締め切るほどの混雑ぶり。比較的空いているといわれていたパビリオンですら入れませんでした。
なのでマイナーなコモンズ(これも時間帯によっては入場規制がかかる)をいくつかめぐり、せめて大手パビリオンの外観だけでも見に行こうと場内を散策。
先日訪問したキルギスのブースもあったのでもちろん訪問。
場内をぐるりと一周としている大屋根リングですが、この建物のおかげで日陰ができたくさんの人が休憩…というか暑さをしのぐための避難所になっていました。というかこれなかったらみんな干上がっていたかも。
せっかくきたのだからと混雑した場内をなんとか練り歩き、たまたま空いていたマイナーなブースを見ながらスタンプラリーを。というかこの時点ではもうスタンプラリーぐらいしかやることがないんです。夜のドローンショーも見たかったんですが、朝の電車と会場の混雑に辟易としていた次女が若干体調不良になったこともあって、そうそうに退散とあいなりました。というわけでなんの感動と手ごたえがないまま、大阪万博の視察ツアーは終了。「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマとありますが、むしろ暑さと混雑具合に若干のいのちの危険を感じた1日でした(楽しかったと感じた方ごめんなさい)。
もちろん夏休み終わりなので暑さや混雑は覚悟はしていましたが、明らかに会場や運営がキャパオーバーなんです。チケットの価格をあげたり、1日の来場者数に制限をかけるとかそういう発想はなかったのでしょうか。そもそもの話をすると、アプリが使いにくいうえに分かりにくいのも致命的…(QRコードを出すのに毎回待ち時間が発生したり、ウェブとアプリがシームレスじゃないのでアクセスするたびにワンタイムパスワードを求められたり…)。ちなみにニュース記事によれば9月5日までの累計来場者数は2,070万6061枚。当初想定していた運営赤字回避ラインには達したものの、目標である2,300万枚には届いていないのだそう。そもそもの全体設計が間違っていませんかね…。
この万博が掲げる未来社会のデザインっていったい? こんな混雑した会場で子どもたちは何のミライを感じる? 結局のところ「来場者ファースト」ではなく「来場者”数”ファースト」なのでは? これって1970年に開催された大阪万博ではなく、テクノロジーが進化しスマホが普及した2025年のイベントだよね? などなど、帰り際の電車のなかではそんな疑問ばかりが残ったのでした。
そうやっていろいろと思考を巡らせていたら、このカオスな状態はいまの日本そのものを映し出しているのかもしれないという結論に至りました。とはいえ行けたからこそそんなあれこれを感じられたし、こうして文章にしたためることができたし、次女とも長い時間一緒に過ごすことができたので「行ってよかった」とは思います。でも「行った方がいいよ」とはいまのところ口がさけて………おや? こんな時間に誰かきたよ……う……
(栗山)